今回のテ−マは 「かゆみ」 です。最も多くの方が感じている合併症ではないでしょうか? 「かゆみ」を知り、症状の軽快を目指しましょう。
透析患者のかゆみの原因 (様々な仮説がありますが、主な3項目を挙げます)
1 皮膚の乾燥 (ドライスキン)
透析による除水や水分制限などにより皮膚への水分供給が低下するため、角層の水分量が全身で低下していきます。また、皮脂や汗の分泌も低下しており、ドライスキンが高頻度に認められます。ドライスキンでは皮膚バリア機能が低下し、かゆみを伝える神経が皮膚の表面近くまで伸びてくるため、外からのわずかな刺激にも皮膚が敏感となり、かゆみを感じやすくなります。
2 腎不全や透析治療による異常
- 尿毒素の蓄積
- 透析機械と血液が接触することによりアレルギー反応やかゆみの原因物質が活性化
- 二次性副甲状腺機能亢進症、リン・カルシウム値の上昇
- 消毒や針刺し・テープの刺激
3 中枢神経内のかゆみ制御の異常
ストレスは、かゆみに関与する神経内の制御機能のバランス異常をおこすと考えられています。
かゆみが改善する生活
- できるだけ長時間透析を行って、かゆみの原因となる尿毒素を取り除きましょう。
- 乾燥肌には保湿剤でスキンケアを毎日行って、かゆみを予防しましょう。長くコツコツと続けることが大切です。
- 保湿剤は入浴後5分以内に、また、入浴しない日の朝や夜の着替えの際などに十分な量を塗りましょう。
乾燥肌やかゆみに困ったら、いつでもスタッフに相談されてください
早め早めの対処が大切です。