エネルギーとタンパク質がともに欠乏し、健康な体を維持するために必要な栄養素が足りない状態をいいます。
低栄養状態にあるときは、肉・魚・卵・豆腐などのたんぱく質とご飯や油、砂糖などのエネルギー源となるものの両方が不足しており、さらに活動量も低下している状態といえます。
Q 透析患者さんが低栄養になりやすいのはどうして?
A 透析患者さんは食事摂取量の不足、慢性炎症などが原因で低栄養になりやすくなっています。体重増加を抑えるために、朝食抜き、主食抜きなど間違った考えで、エネルギー摂取量が少なくなっていることがあります。塩分・水分の過剰摂取が体重増加量に反映されるので、減塩の工夫と水分摂取過多にならないよう気をつけましょう。
A 血液透析では、体にたまっている尿素窒素などの尿毒症物質や水分、ナトリウム、カリウム、リンなどを取り除きますが、それと同時に栄養素(アミノ酸、ビタミン、ミネラル)なども取り除かれるため、食事から補給する意味でも、食事はしっかり正しく食べることが必要です。また、食事を食べ過ぎてしまうと、尿毒症物質が溜まり、体内の環境が悪くなります。個々にあった食事管理が必要なのです。
Q 透析患者さんのアルブミン低値に影響するのはなぜ?
A 血清アルブミン濃度が、基準値より低い状態が続く場合、次の要因が単独又は重複して起きていると思われます。
・栄養不足 ・食欲不振 ・胃腸疾患による消化、吸収障害
・肝臓疾患 ・肝臓機能低下 ・体内水分過剰
・糖尿病性腎症 ・慢性炎症 ・感染症 ・代謝性アシドーシス
・二次性副甲状腺機能亢進症
食事摂取量 ⇒ エネルギー摂取量不足 ⇒ 体重減少
⇒ たんぱく質摂取量不足 ⇒ 血清アルブミン濃度の低下
塩分・水分・カリウムの量に気をつけてバランスの良い食事を3食摂るように心がけましょう